
シェアキッチンで違法にならないために知っておくべきこと【2026年版】
- まとめ
- 2026/10/27
最終更新:2026年10月(2021年6月施行の改正食品衛生法、2025年6月施行の刑法改正にあわせて内容を見直しました)
- シェアキッチンで営業したいけど、知らないうちに違法になることってある?
- 施設が許可を持っていれば、自分は何もしなくていいの?
- どんな資格や手続きが必要なのか、全体をつかみたい
シェアキッチンは、自分で店舗を持たずに少ない費用で飲食や菓子の販売を始められる仕組みです。ただし、営業に必要な許可や資格を確認しないまま始めてしまうと、本人にそのつもりがなくても法律違反になることがあります。
この記事では、シェアキッチンで営業するときに違法にならないためのポイントを、最新のルールにあわせて整理しました。

目次
まず押さえたい:「シェアキッチン」という許可はない
保健所の営業許可には「シェアキッチン許可」という種類はありません。シェアキッチンで作るものに応じて、飲食店営業・菓子製造業・そうざい製造業などの既存の許可が必要になります。
そのうえで、シェアキッチンでの営業には大きく2つのパターンがあります。
| 運営者の名義の許可で使う | 利用者が自分の名義で許可を取る | |
|---|---|---|
| 許可の名義 | シェアキッチンの運営者 | 利用者本人 |
| 利用者の申請 | 不要な場合がある | 保健所への申請・検査が必要 |
| 営業者・製造者 | 法律上は運営者 | 利用者本人 |
運営者の名義の許可で作る場合、法律上の営業者・製造者は運営者になります。自分の屋号で独立した事業として販売したい場合は、自分の名義で許可を取るパターンが基本です。
どちらになるかは、施設の作りや運営方法、管轄の保健所の考え方によって変わります。利用を決める前に、運営者に「自分はどちらのパターンになるのか」を必ず確認しましょう。
シェアキッチンで違法にならないために必要なこと
- 営業許可(自分に必要な許可の種類と名義の確認)
- 食品衛生責任者
- HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理
- 保健所の基準を満たした施設
- 物件オーナー・運営者との契約
- 食品表示のルール
利用者として特に注意したいのは、1〜3と6です。4と5は、すでにシェアキッチンとして運営されている施設なら対応済みのことがほとんどです。
1. 営業許可
食品を作って売るには、作るものに応じた営業許可が必要です。2021年6月に施行された改正食品衛生法で、営業許可の業種は34業種から32業種に再編されました。たとえば、以前は別だった「喫茶店営業」は「飲食店営業」に、「あん類製造業」は「菓子製造業」にまとめられています。
- その場で食べる料理を出す、弁当を作って売る → 飲食店営業
- 焼き菓子・ケーキ・パンを作って売る → 菓子製造業
- おかず・惣菜を作って卸す → そうざい製造業
同じキッチンでも、作るものが変われば必要な許可も変わります。メニューを決めたら、施設がその許可に対応しているかを確認しましょう。申請先は施設がある地域を管轄する保健所です。
参考:営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設について(愛知県)
2. 食品衛生責任者
営業許可や届出の対象となる施設には、原則として食品衛生責任者を置く必要があります。自分の名義で許可を取る場合は、自分が食品衛生責任者になるのが一般的です。
食品衛生責任者は、各自治体の食品衛生協会などが開く講習会を受ければなれます。調理師・栄養士などの資格を持っている人は、講習を受けずに食品衛生責任者になれる場合があります。
参考:食品衛生責任者養成講習会(一般社団法人東京都食品衛生協会)
3. HACCPに沿った衛生管理

2021年6月から、原則としてすべての食品等事業者にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が求められています。小規模な事業者は、業界団体が作った手引書を参考にした簡易的な方法で対応できます。
具体的には、「どんな衛生管理をするか」を計画にまとめ、温度管理や清掃などを実施して記録します。シェアキッチンの場合、施設全体の清掃ルールは運営者が決めていることが多いので、自分の作業の分をどう記録するかを確認しておきましょう。
4. 保健所の基準を満たした施設
営業許可を取るには、施設が保健所の基準を満たしている必要があります。主な確認ポイントは次のとおりです。
- 床・壁が清掃しやすい構造になっているか
- 作業内容に合ったシンクがあるか
- 手洗い設備があるか
- 冷蔵庫・冷凍庫に温度計があるか
- ふた付きのごみ箱があるか
- 作業場所と客席などが区切られているか
シェアキッチンとして運営されている施設はほとんど対応済みですが、自分の作りたいものに必要な設備(たとえば菓子製造なら必要な広さや器具)がそろっているかは確認しておきましょう。
5. 物件オーナー・運営者との契約
シェアキッチンは、運営者が借りている物件の一部を時間や曜日で利用する形が多く、契約の中身があいまいだと後でトラブルになりがちです。利用料・光熱費・備品の扱い、器具を壊したときの対応、保険の加入条件などは、契約前に書面で確認しておきましょう。
6. 食品表示のルール
容器や袋に入れて販売する加工食品には、食品表示法にもとづく表示が必要です。名称、原材料、アレルゲン、原料原産地、内容量、消費期限または賞味期限、保存方法、表示責任者・製造所、栄養成分などを正しく表示しましょう(栄養成分は小規模事業者なら省略できる場合があります)。特にアレルゲンの表示漏れは、健康被害につながる大きなリスクです。複数の人が同じ設備を使うシェアキッチンでは、ほかの利用者の原材料が混ざる可能性(コンタミネーション)への注意書きも検討しましょう。

シェアキッチンで違法になりやすいパターン
許可の種類・名義を確認しないまま販売する
いちばん多いのがこのパターンです。「施設が許可を持っているから大丈夫」と思い込み、自分の作るものがその許可の範囲に入っていなかったり、自分の名義での申請が必要だったりするケースです。
許可の範囲を超えたものを作る
飲食店営業の許可で、日持ちする焼き菓子を作って他の店に卸すなど、許可の範囲を超えた製造・販売をしてしまうケースです。メニューを増やすときは、そのたびに許可の範囲を確認しましょう。
衛生管理・記録をしていない
HACCPに沿った衛生管理の計画や記録がない、食品衛生責任者がいない、といった状態も法律違反になります。
表示が間違っている・足りない
アレルゲンや期限の表示がない、または間違っているケースです。食品表示法違反になるほか、事故が起きたときの責任も重くなります。
防火・建物まわりの問題
消火器の設置や避難経路の確保など、消防法や建築基準法にかかわる部分は、通常は施設の運営者が対応します。自分で物件を借りて間借り営業を始める場合は、これらも自分で確認する必要があります。
違反するとどうなる?
許可を取らずに営業した場合、食品衛生法により2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金(両方が科されることもあります)の対象になります。2025年6月に施行された刑法等の改正で、以前の「懲役」は「拘禁刑」に変わりました。
また、罰則の前に、保健所からの指導や営業停止などの行政処分を受けることもあります。知らなかったでは済まないので、始める前の確認が大切です。
迷ったら「運営者」と「保健所」に聞く
迷ったときは、まずシェアキッチンの運営者に、次に管轄の保健所に確認するのが確実です。営業許可の扱いは、施設の作りや自治体によって細かく変わります。確認は次の順番で進めましょう。
- シェアキッチンの運営者に、自分の作りたいものと販売方法を伝えて、どの許可が必要か聞く
- 施設を管轄する保健所に相談する(運営者が一緒に相談してくれる施設もあります)
手続きや許可について相談しやすい運営者を選ぶことが、トラブルなく始めるいちばんの近道です。
関連記事:シェアキッチンの営業許可とは?取り方・必要書類・注意点/レンタルキッチンで作ったお菓子はネットやフリマで販売してOK?
シェアキッチン・レンタルキッチンを探す
sharekitchen.netでは、全国のシェアキッチン・レンタルキッチンを目的やエリアから探せます。気になる施設が見つかったら、施設ページの「問い合わせ」から、利用条件や営業許可の扱いを直接確認できます。
目的から探す
エリアから探す
この記事を書いた人
シェアキッチンポータル編集部(sharekitchen.net)
全国のシェアキッチン・レンタルキッチンを探せるポータルサイトを運営しています。運営会社のがだんだん株式会社(名古屋市緑区)は、シェアキッチン型のテイクアウト店「GHOST BENTO」を2021年から運営してきました。記事の内容に誤りや古い情報を見つけたときは、お問い合わせからお知らせください。
営業許可つきのシェアキッチンを探す
全国176施設から、エリアや使い方(お菓子製造・仕込み・ゴーストレストランなど)で絞り込めます。空き状況の確認は無料です。
エリアからキッチンを探す ›関連記事





