キッチンカーでお店を始めるには?必要な資金と許可をまとめて解説!意外な盲点も
- まとめ
- 副業
- 2023/08/04
イベントやショッピングモールなどで見かけるキッチンカー/移動販売車。
スイーツやタピオカ、からあげやカレー・ラーメンなど、個性的なメニューを扱うキッチンカーが集まると、ついつい買ってしまうと思います。
そんな魅力的なキッチンカー、「自分でやってみたい!」という人も多いはず。
このページではキッチンカーを始める方法をまとめました。思わぬ落とし穴も?
目次
キッチンカーで人気のメニュー
イベントでは行列のできるキッチンカーが現れるように、手軽に始められるキッチンカーの取り扱いメニューは、その時代・トレンドの最先端を行くものが多いようです。逆に、超定番ともいえるもを取り扱い、無難に売上を稼ぐ戦略もあるでしょう。
主な人気メニュー
からあげ、クレープ、たこ焼き、ピザ、ケバブ、ハンバーガー、焼き鳥、焼きそば、パン、カレー、うどん・ラーメン、お茶・タピオカ
7/7(木) ☀️
— 小樽市観光物産プラザ(運河プラザ) (@otaru_base) July 7, 2022
今日の小樽は運河プラザの前庭が最も熱いかも⁉︎
行列のできるキッチンカー「恵庭あげぱんだ」さんご出店中です!
揚げたてふわふわのあげぱんや冷た~いクラッシュゼリーミルクは運河散策のお供にも最適じゃない⁉️ pic.twitter.com/EakNlAdRVP
金沢市戸板西
— 金沢発信☆山田元一 (@YMotokazz) July 4, 2022
『イオンタウン金沢示野』
7月16日17日18日
キッチンカー大集合イベント
開催
Kne’s FOOD TRUCK(ベビーカステラ)
からてん(唐揚げ)
フルーツハウス(フルーツサンド、フルーツジュース)
ハチバン(おいもとレモネード)
ストーンズカフェ(能登ミルクジェラート)
等 pic.twitter.com/ldr6rYTLvA
藤沢駅北口でキッチンカーDAYしてます🌺Now pic.twitter.com/mq4C1IrOuG
— 江里口シノブ (@UOc4AEqOmgSqKDw) July 22, 2022
キッチンカーを始めるのに必要な資金は250~300万円
キッチンカーを始めるには、250~300万円必要だと言われています。一般的に飲食店を開業するための資金は1000万円と言われていますので、その1/3~1/4程度の資金で開業できることになります。
キッチンカーは資金面では起業や副業として始めやすい業態だといえます。
必要な届出・資格は大きく4つ
キッチンカーで飲食店を開くには、必要な届出・資格が4つあります。ここでは順番に解説していきます。
1.自動車の運転免許
キッチンカーを運転してイベント会場へ移動したり、保管する駐車場に移動させるためには当然、運転免許が必要になります。キッチンカーとして使う車が普通車や軽自動車であれば、普通免許でOKです。車で商売をすると言われると、いわゆる”営業ナンバー”といわれるような運送業許可が必要かと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そちらは必要ありません。
2.飲食店営業許可
小さい車とはいえ、立派なお店ですから、飲食店の許可が必要となります。
飲食店営業の営業許可は、各自治体(市町村)ごとの保健所に申請が必要となります。
例えば東京の場合は23区ごとに必要で、渋谷区で取得していても、町田市に出店する場合は町田市で申請する必要がありますので注意してください。
一度取得したら5年間、該当の地域で営業が可能になります。
自動車関係営業許可申請等の手引き – 東京都福祉保健局(外部サイト)
3.食品衛生責任者の資格
営業許可は各市町村区ごとに申請する必要がありますが、キッチンカーにつき1人、食品衛生責任者が居る必要があります。食品衛生責任者は、保健所で講習を受けることで資格を取得することができます。
講習費用は6,000〜12,000円程度です。コロナの影響もあり、オンラインで受講できる自治体も増えています。
なお、栄養士や調理師などの免許を持っている方は受講は不要ですが、申請は忘れずに行いましょう。
食品衛生責任者講習会の開催状況について – 名古屋市(外部サイト)
4.個人事業主を始める場合は開業届
独立・起業・副業などで初めて行う場合は、所轄の税務署へ開業届を提出する必要があります。特に税金が有利な青色申告で確定申告する際には必須となりますので届け出るようにしましょう。
屋号や業種などを記載して提出を行います。また、夫婦で営業するなど身内をスタッフとして扱う場合の専従者の申請や、従業員を雇う場合の源泉徴収の手続きなども必要となります。詳しくは税務署で確認するようにしましょう。
開業届とは? 個人事業主のための開業届の基礎知識 – freee(外部サイト)
キッチンカーの入手方法
食品店営業許可の申請・認可にあたってはキッチンカーの手配・準備を終えておく必要があります。
なぜなら営業許可の審査でキッチンカーの設備が基準を満たしているかどうかチェックされるからです。キッチンカー本体の手配方法は主に4通りあります。
1.新車で購入する
キッチンカーは基本的にカスタムカーになりますので、一般的に流通しているバンや軽トラックを改造して作られます。キッチンカーを製作できるカスタムメーカーが多数存在しますので、自分の好みに合ったメーカーを探しましょう。購入費用としては250〜450万円程度となります。
2.中古で購入する
キッチンカーの新車は高い、初期費用は抑えたいという方は中古のキッチンカーを探してみてはどうでしょうか。実際に利用された車両ということであれば保健所の審査をクリアしているもの、ということにもなります。中古の場合の相場は100〜250万円程度となります。
3.借りる(レンタル・リース)
さらに費用を抑えたい方にはレンタルやリースという方法があります。自分の好みにカスタムできないというデメリットがありますが、1日辺り7,000~40,000円程度という安価で利用することができます。
4.自分で作る(DIY)
自分の車をキッチンカーに改造して利用しようと考える方もいらっしゃるかもしれません。
中古の軽トラなどを利用すれば、自分の思い通りのキッチンカーが安く実現できるでしょう。
しかし自分で作れるからといって全く自由に作って良い訳ではありません。後述する保健所が定める基準に沿って製作する必要があります。
キッチンカーの保健所の審査内容
新車をカスタムメーカーに発注して購入する場合は、メーカーや工場が保健所の審査内容を把握しているのでまず問題ありませんが、中古で購入したキッチンカーの場合基準が古く現在の審査基準に適合していない場合があります。またDIYする場合も含めて、以下の内容を満たしているか確認しましょう。
・運転席と調理場が完全に仕切られている
・給水・排水タンクが設置され、容量は充分あること
・水道蛇口は非接触水道であること
・シンクの数は調理内容に対して十分であること
・収納ケースや棚の設置が充分であること
・石鹸は常時、清潔さを保てる状態であること
・換気がしっかり考慮されていること
・冷蔵庫・冷凍庫が設置されていること
・ゴミ箱が設置されていること
自動車営業(飲食店営業)を新規申請される方へ – 大阪府(外部サイト)
※基準は統一になりましたが、自治体によって解釈が異なる場合があります。
営業する予定の自治体の保健所へ必ず確認を行ってください。
キッチンカーの主な設備
保健所が定めているものも含め、小さなキッチンカーには思った以上に多くの設備を備える必要があります。
- コンロ、鉄板
- シンク
- 給水・排水タンク
- 冷蔵庫、冷凍庫
- 電源
- プロパンガス
- ゴミ箱
- 収納ケース・棚
- エアコン、扇風機
狭いキッチンカーですから、自分が調理して提供する食材に合わせて最低限のものを揃え、作業スペースをしっかり確保する必要があります。そしてここで最も重要になってくるのが、給水タンクの大きさです。
キッチンカーの給水タンク問題
なぜキッチンカーで給水タンクが重要になるのでしょうか?
「自分は簡単なものしか提供しないので給水タンクは小さくて良いだろう」
と考えていると、とんでもないことになるのです。
保健所の定める規格で給水タンクは40L・80L・200Lの3段階あります。
実はこの給水タンクの大きさで、提供できるメニューの数や仕込みの可否が決まってくるのです。
1.キッチンカーでは仕込みができない?
この給水タンクの大きさが、40L/80Lの場合、キッチンカーの中では仕込みができません。
ちなみに仕込みとは、
- 料理に必要な材料をカットする
- 粉と牛乳を混ぜて生地を作る
- 給水タンクへの給水
- 調理器具の洗浄・消毒
といった調理の基本的な内容も含みますので、注意が必要です。
キッチンカーで仕込みができないのであれば自宅で準備するから良い、と考えている方は要注意です。
あくまで食品店の営業となりますので、自宅で仕込みを行うのであれば自宅も飲食店の営業許可を取る必要があるからです。自宅での営業許可の取得は元々飲食店を営んでいない限り難しいでしょう。その場合はシェアキッチンなどのサービスを利用することをおすすめします。
2.給水タンクの大きさでメニューが変わる
給水・排水タンクの大きさで販売できるメニューに影響が出ることをご存知でしょうか。
例えば、40Lの場合には温める・揚げる・簡単な調理のみ
給水・排水タンクの容量が 40 リットル程度
・簡易な調理のみ(温める、揚げる、盛り付ける等)を行うことができる
・単一品目のみ取り扱える
・使い捨て食器を使用する
給水・排水タンクの容量が 80 リットル程度
・大量の水を要しない2工程程度までの簡易な調理を行うことができる
・複数品目を取り扱うことができる
・使い捨て食器を使用する
給水・排水タンクの容量が 200 リットル程度
・大量の水を要する調理を行うことができる
・複数の工程からなる調理を行 うこと
・通常の食器を使用すること
このようにキッチンカーに備え付ける給水・排水タンクの容量でメニューの工程数が変わり、また仕込みの可否も決まってくるのです。
キッチンカーを購入する際には、自分が提供するメニューの調理工程と、ドリンクを含むサイドメニューの取り扱いの有無をしっかりと確認した上で、給水・排水タンクの大きさを設定する必要があります。
給水タンクが大きいデメリットも
しかし複数の調理工程を行え、通常の食器も取り扱える大容量の給水タンクを備えた場合、デメリットも出てきます。
それは、
・備品や食材などを置くスペースが相対的に減ってしまう
・調理/接客スペースが極端に狭くなる
といった問題です。
特に軽自動車や小型車を改造したキッチンカーでは200mlという大容量の給水タンクを設置することは現実的ではありません。
そのため、給水タンクが小さいキッチンカーにおける仕込みの問題は、大きな落とし穴となってきます。
おすすめは小型キッチンカー+シェアキッチン
キッチンカーを機に独立・起業を考えている方もいらっしゃるかと思います。
その場合、あまり初期投資額を増やしすぎると、非常にリスクが高まります。
キッチンカーを始めた人の多くが、反響の良いイベントや場所などの見極めや、メニューの改良、集客方法の確立などでキッチンカーのビジネスを軌道に乗せるまでに数ヶ月から2年単位の期間を要しています。
そのため軌道に乗るまでは赤字や収支がプラスマイナスゼロのいわゆるトントンの状態になります。
しかしキッチンカーの初期費用を金融機関などで借りた場合、この間も返済を行う必要がありますので、非常に苦しい状況がしばらく続くのです。当然、この中から給料=生活費も捻出していく必要がありますから、資金を全部使い果たしてキッチンカーの設備を充実させてしまうと、すぐに首が回らなくなります。
少しでも初期費用を抑え、運用コストも抑えるためには、
・キッチンカー本体の費用は極力抑える
・仕込みの場所は自宅をお金をかけてまで改装はせず、時間貸しで必要な時だけ支払う
という2つのポイントを抑えることをお勧めします。
設備の整った大型のキッチンカーは、まずは小さな成功を積み重ねてから!
キッチンカーの仕込みはシェアキッチンがおすすめ
初期費用を抑えてキッチンカーを始めるには、レンタルか軽自動車もしくは小型車を改造したキッチンカーで始まるのがお勧めです。
その場合、給水タンク容量が200ml未満である可能性が高いため、キッチンカー内で行える調理工程は1,2工程に限られ、仕込みが重要になってきます。
しかし、キッチンカーの中では仕込みを行うことができませんので、別の場所で行う必要があります。
自宅を改装して保健所に申請を行う方法もありますが、初期費用がかさむため、おすすめできません。
そこで安価に、低リスクでキッチンカーの仕込みを行うために、シェアキッチンのサービスを利用してはいかがでしょうか?
シェアキッチンとは
シェアキッチンは、時間や日時を予約して本格的な調理スペースを利用できるシェアサービスのひとつ。
保健所の許認可を受けているシェアキッチンであれば、キッチンカーの仕込みにすぐに利用することができるのです。
「sharekitchen.net」では、全国のシェアキッチン情報から自分の条件にあったものを選ぶことができます。
「週末だけ」「平日だけ」「ランチだけ」など、キッチンカーの仕込みやイベントのタイミングに合わせて利用できます。
シェアキッチンで起業・副業という選択も
これまでキッチンカーの始め方について記述してきましたが、取得しなければならない資格のほかに、飲食店営業許可や給水タンク容量で作れるメニューが変わってくる・仕込みができない、といったキッチンカー独特の問題も見えてきました。
ここで問いかけたいのは、
「あなたは本当にキッチンカーで料理を振る舞いたいのか?」
ということです。
“一般的な飲食店を開業するよりも安く始められるから”
という理由だけでキッチンカーを選んでいませんか?
もしそうならシェアキッチンやレンタルキッチンを利用した方が、費用も必要な手続きも少なく起業・開業できます。
キッチンカーとシェアキッチンの比較表
キッチンカー | シェアキッチン/レンタルキッチン | |
初期費用 | 250~300万円 | 〜50万円程度 |
準備期間 | 保健所の審査など2~3ヶ月 | 申込後、すぐに利用可 |
営業時間 | 出店場所による | 営業時間内で自分で決められる |
出店場所 | イベントなど | 店舗や専用ブース |
メニュー | 給水タンクで制限あり | 原則、制限なし |
仕込み | 原則不可 (200ml以上なら可) | 仕込みのみの利用も可 |
設備 | 収納の都合、限られる | 専門店のような充実の設備 |
エアコン・空調 | 調理スペースにはないことが多い | 基本的に完備されている |
飲食店営業許可 | 自分で申請 | サービス側で取得済みのことが多い |
フードデリバリー | 対応不可 | 対応可能 |
飲食スペース | なし | 飲食可能な物件もあり |
実際に比較してみると、シェアキッチンの方が安価で始められ、必要な手続きも少なく早く始められることが分かります。
また、メニューの調理工程の制限もほぼありません。飲食スペースを併設した物件では、本当に自分の店のように利用することができます。
飲食の起業・独立・副業をシェアキッチンで始めてみませんか?
「sharekitchen.net」では、
“広い作業スペースで仕込み作業を行いたい”
“週末だけお店をもちたい”
など、自分の理想に合ったシェアキッチン・レンタルキッチンサービスを探すことができます。
キッチンカーで仕込みをしっかりした環境で行いたい人も、キッチンカーではなくシェアキッチンで起業したい方も、ぜひ一度サイトを訪れてみてはいかがでしょうか。