弁当屋の開業に必要な資格と許可|自宅NG・シェアキッチンで始める【2026年版】

  • まとめ
  • 2026/10/26

最終更新:2026年10月

この記事を書いた人:シェアキッチンポータル編集部(運営:がだんだん株式会社)

  • お弁当屋さんを開業したいけれど、どんな資格や許可が必要かわからない
  • 自宅のキッチンで作ったお弁当を売ってもいいのか知りたい
  • いきなり店舗を借りるのは不安なので、小さく始める方法を知りたい

料理が好きで「いつか自分のお弁当屋さんを開きたい」と考えている方は多いと思います。テイクアウトやデリバリーアプリが当たり前になり、店舗を構えなくてもお弁当を届けられる方法も増えました。

ただし、お弁当を売るには保健所の営業許可が必要で、許可を取れる「キッチン」がなければ始められません。この記事では、弁当屋の開業に必要な資格・許可を自治体の公式情報で確認しながら、自宅では許可が取れない理由、店舗・シェアキッチン・間借りの比較と費用、販売方法まで順番に解説します。

この記事の結論

  • 弁当屋の開業に必要なのは、飲食店営業の許可(保健所)と食品衛生責任者の2つです。調理師免許は必須ではありません
  • 自宅の台所をそのまま使って許可を取ることはできません。自宅で営業するなら、家庭用とは別に区画された営業用のキッチンが必要です
  • 初期費用を抑えて始めるなら、営業許可に対応したシェアキッチン・レンタルキッチンや間借りで試し、売れる手応えをつかんでから店舗を検討するのが現実的です
  • ネット販売やほかのお店への卸売りなど、売り方によっては別の許可や食品表示が必要になります

お弁当づくりのキッチンを探している方へ:sharekitchen.netでは、1日から借りられるキッチンや商品を店頭で販売できるキッチンを目的から探せます。

弁当屋の開業に必要な資格と許可

弁当屋の開業に必要な資格と許可

お弁当屋さんを開業するときに必要なものは、大きく分けて「営業許可」と「食品衛生責任者」の2つです。

飲食店営業の許可(保健所)

食品衛生法第55条により、飲食店などの営業をするには、都道府県知事(保健所を置く市・特別区では市長・区長)の許可を受ける必要があります。窓口は、営業する場所を管轄する保健所です。

東京都中央区は、「弁当や惣菜を店舗で作り、店頭で対面販売もしくは注文を受けて配達する場合には飲食店営業の許可が必要」と案内しています。いわゆる「街のお弁当屋さん」の形なら、飲食店営業の許可を取るのが基本です。

許可は「人」だけでなく「施設」に対して出るもので、シンクの数や手洗い設備、区画などの施設基準を満たしているか保健所の確認を受けます。名古屋市は、工事の前に設計図面などを持って保健センターに相談すること、申請書は営業開始予定日の少なくとも20日前までに出すことを案内しています。申請手数料は自治体ごとに決まっていて、名古屋市の場合、飲食店営業の新規は16,000円です。

食品衛生責任者

営業許可を取る施設には、食品衛生責任者を置く必要があります(名古屋市は「施設ごとに食品衛生責任者の設置が必要」と案内しています)。

食品衛生責任者には、各地の食品衛生協会などが開く養成講習会を受けるとなれます。たとえば堺市の講習会は1日で、食品衛生学2.5時間・食品衛生法3時間・公衆衛生学0.5時間の合計6時間、受講料は10,500円(税込)です。調理師、製菓衛生師、栄養士、管理栄養士などの資格を持っている人は、講習を受けずに食品衛生責任者になれます。

調理師免許は必須ではない

調理師免許がなくても、弁当屋は開業できます。調理師免許を持っていると食品衛生責任者の講習が不要になるほか、お客さまへの安心感にもつながりますが、開業の条件ではありません。

そのほかの手続き

  • 開業届(税務署):個人で始める場合は、納税地を管轄する税務署に提出します。国税庁は、事業を始めた年の確定申告期限までに提出するよう案内しています
  • 売り方によって必要な許可:中央区は、惣菜類を製造してネット販売したり、別の店舗に卸売りしたりする場合はそうざい製造業の許可が必要と案内しています。売り方を決めたら、許可の種類を保健所に確認しましょう

営業許可の取り方や必要書類は、シェアキッチンの営業許可とは?取り方・必要書類・注意点でも詳しく解説しています。

自宅のキッチンでお弁当を作って売れる?

「まずは自宅で作ったお弁当を売ってみたい」という相談は多いのですが、家族の食事を作っている自宅の台所をそのまま使って営業許可を取ることはできません。

営業許可の施設基準では、住居など食品を扱わない場所と営業施設を区画することが原則になっています(厚生労働省の通知でも、この原則が示されています)。横浜市青葉区は、自宅を改装して食品の営業をする場合のポイントとして、次のような条件を挙げています。

  • 自宅用のキッチンとは別に、営業用のキッチンがある
  • 営業用キッチンが、カウンターや扉で区画されている(動物を飼っている場合は床から天井まで壁や扉で区画)
  • 屋外からの汚染がなく、作業内容に応じた十分な広さがある
  • トイレ専用の手洗器がある(家庭の洗面台は不可)

つまり、自宅で開業するには営業用のキッチンを別に作る改装が必要です。条件は自治体ごとに細かく違うため、改装を考える場合は工事の前に保健所へ相談しましょう。改装の費用をかけずに始めたいなら、すでに設備がそろった営業許可対応のキッチンを借りる方法があります。

関連記事:シェアキッチンで違法にならないために知っておくべきこと

弁当屋の始め方を比較:店舗・シェアキッチン・間借り・キッチンカー

お弁当屋さんの始め方

お弁当を作る場所の選び方で、初期費用もリスクも大きく変わります。代表的な4つの始め方を比べてみましょう。

始め方 初期費用の傾向 営業許可 向いている人
自分の店舗 物件取得・内装・厨房設備で最も大きい 自分の名義で取得 立地が決まっていて、毎日営業したい人
シェアキッチン・レンタルキッチン 設備がそろっているので小さい 施設ごとに扱いが違うので確認 まず週1〜2日から試したい人
間借り(既存店の空き時間) お店との交渉次第で小さい 原則、自分の名義で取得 決まった曜日・時間に店頭販売したい人
キッチンカー 車両と設備が中心 車両ごとに取得 イベントやオフィス街など、場所を変えて売りたい人

自分の店舗で開業する

店頭で毎日お弁当を売れるのが最大のメリットです。一方で、物件の保証金や内装工事、業務用の厨房設備、運転資金など、始める前のお金がいちばん大きくなります。立地で売上が大きく変わるため、物件を決める前に「どこで、誰に、いくらで売るか」を検証しておくことが大切です。

シェアキッチン・レンタルキッチンで始める

業務用の設備がそろったキッチンを、時間・日・月単位で借りる方法です。改装や設備の購入がいらないため、初期費用を大きく抑えられます。ただし、営業許可の扱いは施設によって違います。自分の名義で許可を取れるか、どの許可に対応しているかを、契約前に施設へ確認しましょう。

関連記事:シェアキッチンで開業するには?流れ・費用・必要な許可と施設の選び方

間借りで始める

夜だけ営業する居酒屋の昼の時間などを借りて、お弁当を売る方法です。店頭販売ができるのが強みですが、仙台市は「間借りした別の営業者は新たに飲食店営業等の許可を取得する必要がある」と案内しています。間借り先の許可を使えるわけではないので注意しましょう。

関連記事:間借り営業の始め方|営業許可と間借り先・シェアキッチンの探し方

キッチンカーで始める

イベント会場やオフィス街、スーパーの駐車場などで販売する方法です。売れ行きに合わせて場所を変えられますが、車両そのものに営業許可が必要で、出店場所の確保も必要です。詳しくはキッチンカーでお店を始めるには?をご覧ください。

弁当屋の開業にかかる費用

開業費用は、店舗の広さや立地、設備を新品でそろえるか中古にするかで大きく変わるため、一律の相場はありません。ここでは、どんな費用がかかるのかと、公的に確認できる金額を整理します。

費用の項目 店舗で開業 シェアキッチンで開業
物件・内装 保証金・仲介手数料・内装工事が必要 不要(利用料に含まれる)
厨房設備 コンロ・冷蔵庫・シンク・炊飯器などを購入 原則不要(施設の設備を使う)
営業許可の申請手数料 必要(例:名古屋市の飲食店営業 新規16,000円) 自分の名義で取る場合は必要
食品衛生責任者の講習 必要(例:堺市 10,500円) 必要
容器・食材・包材 必要 必要
毎月の固定費 家賃・水道光熱費など 利用料(時間・日・月単位)

シェアキッチンの利用料は、施設によって「1時間いくら」「月額制」「売上の何%」など仕組みがさまざまです。次の章で、お弁当づくりに使える掲載施設の料金例(掲載時点)を紹介します。

関連記事:飲食店を安く始める方法

お弁当・テイクアウトに使える掲載施設の例

シェアキッチンでお弁当づくり

sharekitchen.netに掲載している施設のうち、炊飯器や業務用コンロがある、店頭販売やフードデリバリーに対応しているなど、お弁当・テイクアウトに使いやすい施設を紹介します。料金や条件は掲載時点の情報です。最新の情報と営業許可の扱いは、施設ページの「問い合わせ」から確認してください。

  • かさでらのまち食堂(名古屋市南区前浜通):業務用3口ガスコンロ、冷凍冷蔵コールドテーブル、1升炊きの炊飯器2台、食洗機などがあり、券売機付きの客席もあります。1日から借りられ、店頭販売や週末だけの営業にも使えます。年間登録料5,000円の契約に加えて売上の30%がかかる仕組みです(掲載時点)
  • food stand MeEATS(大阪市平野区加美鞍作):77㎡の共同キッチンで、A・B・Cの3区画に分かれています。各区画に3槽シンクと業務用ガステーブルがあり、Bキッチンには炊飯器2台があります。貸出時間は8:00〜21:00で、店頭販売にも対応しています。料金は施設ページで確認してください
  • フードLABO『のなみキッチン』(名古屋市緑区鳴海町):1日から借りられ、フードデリバリーに対応した施設です。利用時間は9時〜20時で、デリバリー専門のお弁当やマルシェの準備に使えます
  • 七色キッチン seven meals kitchen(東京都杉並区今川):業務用冷蔵庫、コンロ、シンクなど一般的な厨房機器がそろい、フードデリバリーに対応しています。1時間1,200円です(掲載時点)

ほかのエリアの施設は、ゴーストレストランを始められるキッチンや週末だけお店を持てるキッチンから探せます。

料金の形が「1時間いくら」の施設と「売上の何%」の施設は、月の売上によってどちらが安いかが変わります。自分の場合に当てはめるなら、次の式で比べられます。

時間貸しの月の費用 = 1時間の料金 × 月に使う時間
売上歩合の月の費用 = 月の売上 × 歩合の率

月の売上 時間貸し 売上の30%
10万円 48,000円 30,000円
16万円 48,000円 48,000円
20万円 48,000円 60,000円

※数字は計算の例です(時間貸しは1時間1,200円で月40時間=週2日×5時間×4週、売上歩合は売上の30%の場合。歩合型の年間登録料などは含みません)。月の売上が16万円より少なければ歩合型、多ければ時間貸しが安くなります。ご自身の数字に置き換えて計算してみてください。

お弁当の販売方法と、それぞれの注意点

お弁当の配達

お弁当は、どこで・どうやって売るかで、必要な許可や表示が変わります。販売方法ごとに整理しました。

販売方法 どんな売り方か 確認しておきたいこと
店頭販売 作った場所でお客さまに直接売る 飲食店営業の許可。作り置きを容器に入れて並べる場合は食品表示
配達(自社) 注文を受けて会社や家庭に届ける 飲食店営業の許可。配達中の温度管理
デリバリーアプリ Uber Eats・出前館などで注文を受ける 各サービスの出店条件。キッチンがデリバリーに対応しているか
イベント・マルシェ 許可のあるキッチンで作って会場で売る 主催者の出店条件と、会場を管轄する保健所の扱い
ネット販売・卸売り 通販や、ほかの店舗に卸して売る そうざい製造業など別の許可が必要な場合がある。食品表示

テイクアウト弁当の食品表示

富山県の案内によると、テイクアウトの弁当には原則として食品表示基準に基づく表示が必要です。ただし、次のような例外があります。

  • 注文を受けてからその場で容器に詰めて売る場合:表示は不要(品質についての質問に答えられるようにしておく)
  • 店内で作り、同じ店内だけで売る場合:原材料名や内容量などの一部を省略できる。ただし名称、アレルゲン、消費期限、保存方法、製造者などは省略できない

シェアキッチンで作ったお弁当を別の場所で売る、デリバリーで届けるといった場合は「作った場所と売る場所」の関係が変わるので、表示の要否を保健所に確認しておくと安心です。デリバリー専門で始める方法は、フードデリバリー専門店を開くには?も参考にしてください。

よくある質問

小さなお弁当屋さんを一人で開業できますか?

できます。一人で営業する場合も、飲食店営業の許可と食品衛生責任者(自分自身がなれます)が必要です。まずはシェアキッチンで週1〜2日だけ営業し、作れる量と売れる量を確かめてから営業日を増やすと、無理なく始められます。

自宅で作ったお弁当を知り合いに売るのも許可が必要ですか?

お弁当を販売するなら、相手が知り合いでも営業にあたるため、営業許可を受けた施設で作る必要があります。自宅の台所をそのまま使うことはできないので、営業許可に対応したキッチンを借りるか、区画された営業用キッチンを用意しましょう。

営業許可の申請はいつまでにすればいいですか?

自治体によって違います。名古屋市は「営業開始予定日の少なくとも20日前まで」と案内しています。施設の確認もあるので、作る場所が決まったらすぐに保健所へ相談しましょう。

シェアキッチンなら自分で営業許可を取らなくていいですか?

施設によって違います。利用者が自分の名義で許可を取る形が多いですが、扱いは施設や自治体で異なります。施設ページの「問い合わせ」から、どの許可に対応しているか、利用者は何を準備すればよいかを確認してください。

まとめ

弁当屋の開業に必要なのは、飲食店営業の許可と食品衛生責任者の2つです。許可は「施設」に対して出るため、自宅の台所では取れず、どこでお弁当を作るかを最初に決める必要があります。

  • 必要な資格・許可は、飲食店営業の許可(保健所)と食品衛生責任者。調理師免許は必須ではない
  • 自宅で営業するなら、家庭用とは別に区画された営業用キッチンが必要
  • 店舗を持つ前に、シェアキッチン・レンタルキッチンや間借りで小さく試すと初期費用とリスクを抑えられる
  • ネット販売や卸売りは別の許可が必要な場合がある。テイクアウト弁当は食品表示も確認する

「設備を買わずに、まずは週末だけお弁当を売ってみたい」という方は、sharekitchen.netで目的やエリアからキッチンを探してみてください。

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この記事を書いた人

シェアキッチンポータル編集部(sharekitchen.net)

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