
シェアキッチンの営業許可とは?取り方・必要書類・注意点【2026年版】
- まとめ
- 2026/10/02
最終更新:2026年10月(2021年6月施行の改正食品衛生法にあわせて内容を見直しました)
- シェアキッチンで営業するには、どんな許可が必要?
- 施設が許可を持っていれば、自分は申請しなくていいの?
- 申請の流れや必要な書類を知りたい
シェアキッチンは、少ない費用で飲食店やお菓子の販売を始められる便利な仕組みです。ただし、食品を売るには営業許可が必要で、その取り方はシェアキッチンならではの注意点があります。
この記事では、シェアキッチンで営業するために必要な営業許可について、最新のルールにあわせて解説します。

目次
シェアキッチンの営業許可の基本
「シェアキッチン許可」という種類はない
保健所の営業許可に「シェアキッチン」という種類はありません。シェアキッチンで作るもの・売り方に応じて、既存の許可が必要になります。代表的なものは次のとおりです。
| やりたいこと | 主な許可の種類 |
|---|---|
| 店内で料理を出す・弁当を作って売る | 飲食店営業 |
| 焼き菓子・ケーキ・パンを作って売る | 菓子製造業 |
| おかず・惣菜を作って他の店に卸す | そうざい製造業 |
2021年6月に施行された改正食品衛生法で、営業許可の業種は32業種に再編されました。どの許可が必要か迷ったら、メニューと販売方法を具体的に伝えて保健所に確認するのが確実です。
運営者の名義か、自分の名義か
シェアキッチンでの営業許可には、大きく2つのパターンがあります。
- 運営者の名義の許可で営業する:シェアキッチンの運営者が取った許可のもとで、利用者が作業・販売するパターン。利用者本人の申請が不要な場合がありますが、法律上の営業者・製造者は運営者になります。
- 利用者が自分の名義で許可を取る:利用者が施設を使って、自分の名前で保健所に申請するパターン。自分の屋号で継続して販売したい人に向いています。
どちらになるかは、施設の作りや運営方法、管轄の保健所の考え方によって変わります。利用を決める前に、運営者に必ず確認しましょう。
営業許可を取るために必要なこと
自分の名義で許可を取る場合に必要なことは、主に次の4つです。
- 保健所の基準を満たした施設
- 物件オーナー・運営者の了承
- 食品衛生責任者
- HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理
すでにシェアキッチンとして運営されている施設なら、1と2は対応済みのことがほとんどです。利用者として準備が必要なのは、主に3と4です。
1. 保健所の基準を満たした施設
許可を取るには、施設の構造や設備が保健所の基準を満たしている必要があります。主な確認ポイントは次のとおりです。
- 床・壁が清掃しやすい構造になっているか
- 作業内容に合ったシンクがあるか
- 手洗い設備があるか
- 冷蔵庫・冷凍庫に温度計があるか
- ふた付きのごみ箱があるか
- 作業場所と客席などが区切られているか
2. 物件オーナー・運営者の了承
シェアキッチンは、運営者が借りている物件を時間や曜日で分けて使う形が多くあります。自分の名義で許可を取ってよいか、利用料や光熱費、備品の扱いはどうなるかを、契約前に書面で確認しておきましょう。
3. 食品衛生責任者
許可を取る施設には、原則として食品衛生責任者を置く必要があります。申請のときに食品衛生責任者の資格を証明する書類を求める自治体が多いので、講習会は早めに受けておきましょう(まだ資格がない場合、期限内に置くことを約束する書類で受け付ける自治体もあります)。
食品衛生責任者は、各自治体の食品衛生協会などが開く講習会を受ければなれます。調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格を持っている人は、講習を受けずになれる場合があります。
参考:食品衛生責任者養成講習会(一般社団法人東京都食品衛生協会)
4. HACCPに沿った衛生管理
2021年6月から、原則としてすべての食品等事業者に、HACCPに沿った衛生管理が求められています。小規模な事業者は、業界団体の手引書を参考にした簡易的な方法で対応できます。衛生管理の計画を立て、温度管理や清掃などを実施して記録しましょう。
営業許可の申請の流れ
- 事前相談:施設の図面とメニューを持って、管轄の保健所に相談します。シェアキッチンの場合は運営者が同席・サポートしてくれることもあります。
- 申請:必要書類と手数料を保健所に提出します。自治体によっては、国の「食品衛生申請等システム」からオンラインで申請できます。
- 施設の確認検査:保健所の担当者が施設を確認します。
- 許可:基準を満たしていれば許可が出て、営業を始められます。
多くの自治体では、施設検査の1週間ほど前までに申請し、検査のあと許可証が出るまでにさらに1週間〜10日ほどかかります。申請から営業開始まで2〜3週間は見ておき、オープン日が決まっている場合は余裕をもって相談を始めましょう。
申請に必要な書類(東京都の例)
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 営業許可申請書 | 必要事項を記入して提出 |
| 施設の構造及び設備を示す図面 | 2通。シェアキッチンの場合は運営者が用意していることが多い |
| 食品衛生責任者の資格を証明する書類 | 講習会の修了証など |
| 水質検査成績書 | 水道水・専用水道・簡易専用水道以外の水を使う場合 |
| 許可申請手数料 | 業種や自治体によって異なる |
このほか、申請時や施設検査のときに、HACCPに沿った衛生管理の計画を確認されます。
なお、上の表は東京都の保健所の例です。東京23区・八王子市・町田市はそれぞれの保健所の様式を使います。必要書類や手数料は自治体によって少しずつ違うので、施設がある地域の保健所のページで最新の情報を確認してください。

営業許可とあわせて検討したい保険
保険の加入は法律上の義務ではありませんが、食品を扱う以上、万が一に備えておくと安心です。シェアキッチンによっては、利用の条件として加入を求められることもあります。
生産物賠償責任保険(PL保険)
販売した食品が原因で、お客さまにけがや食中毒などの被害が出たときの賠償をカバーする保険です。
施設賠償責任保険
施設の中での事故(お客さまのけがや、物を壊してしまったときなど)の賠償をカバーする保険です。
許可の相談に乗ってくれる施設を選ぶ
はじめての営業許可は、書類の準備や保健所とのやり取りなど、わかりにくいことが多くあります。図面を用意してくれたり、申請書の書き方を教えてくれたりする運営者を選ぶと、スムーズに始められます。
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