個人で飲食店を始める最短の方法|7通りを期間・費用・許可で比較【2026年版】

  • まとめ
  • 2026/10/27

最終更新:2026年10月

この記事を書いた人:シェアキッチンポータル編集部(運営:がだんだん株式会社)

  • 個人で飲食店を始めたいけれど、できるだけ早く、お金をかけずに始めたい
  • 店舗を借りる以外に、どんな始め方があるのか知りたい
  • 間借り、シェアキッチン、キッチンカーのどれが自分に合うのかわからない

「いつか自分のお店を持ちたい」と思っても、物件を借りて内装工事をして……と考えると、時間もお金もかかりそうで一歩が踏み出せない人は多いはずです。

実は今、飲食店の始め方は「店舗を借りる」だけではありません。ほかのお店の空き時間を借りる間借り、時間単位や月額で借りられるシェアキッチン、キッチンカー、デリバリー専門のゴーストレストラン、イベント出店など、小さく始められる方法がいくつもあります。

この記事では、個人が飲食店を始める7つの方法を、準備にかかる期間・初期費用の考え方・必要な許可の3つで比べ、リスクを抑えて最短で始めるための順番をまとめました。

この記事の結論

  • 最短で始めやすいのは、営業許可の取れる設備がすでにある場所を借りる方法(シェアキッチン・間借り)と、イベント出店です
  • 店舗取得や居抜きは、物件探し・工事・許可の順番待ちがあるため、準備期間も初期費用も大きくなります
  • どの方法でも、食品を調理して販売するなら営業許可(または届出)と食品衛生責任者が必要です。家庭の台所では原則として許可を取れません
  • おすすめは「イベントやシェアキッチンで試す → 常連客と売上の手応えを得る → 店舗を持つ」の順番です

すぐに始められる場所を探している方へ:sharekitchen.netでは、週末だけお店を持てるキッチンや1日から借りられるキッチンを目的から探せます。

個人で飲食店を始める7つの方法【比較表】

飲食店の始め方を比べるイメージ

個人が飲食店を始める方法は、大きく分けて「自分の店舗を持つ方法」と「店舗を持たずに始める方法」があります。7つの方法を比べると次のとおりです。

方法 準備期間の目安 初期費用の考え方 必要な許可・届出
店舗を取得(スケルトン) 長い(物件探し・設計・工事・許可) 保証金・内装工事・厨房機器・家具まで自分で負担 自分の名義で営業許可、食品衛生責任者、消防への届出など
居抜き物件 中〜長(工事は減るが物件探しは必要) 前の店の設備を引き継ぐ分、工事費を抑えやすい。造作の譲渡代がかかることも 店舗取得と同じ。前の店の許可は引き継げない
間借り 短〜中(間借り先探しと交渉しだい) 家賃は空き時間分の利用料。設備は借りる 原則として自分の名義で営業許可
シェアキッチン 短い(許可対応の設備がそろっている) 時間単位・月額の利用料。設備投資はほぼ不要 施設の運営形態による。多くは利用者の名義で許可
キッチンカー 中(車両の購入・改造と許可) 車両と改造費が中心。出店場所の確保も必要 自動車による営業の許可。仕込み場所が必要な場合も
ゴーストレストラン 短〜中(キッチン確保とデリバリー登録) キッチンの利用料と、デリバリーサービスの手数料 調理するキッチンで営業許可
イベント出店 最短(出店するイベントがあれば) 出店料と材料費、テントなどの備品 営業許可または臨時出店の届出(自治体と主催者に確認)

準備期間は、物件や車両、出店先がすぐ見つかるかで大きく変わるため、ここでは「長い・短い」の比較で示しています。費用の差は、厨房設備を自分で用意するか、すでにある設備を借りるかでほぼ決まります。

店舗を持つ方法(店舗取得・居抜き)は時間とお金がかかる

店舗を構えて飲食店を開業するイメージ

店舗を持つ方法は、開業までにやることが多く、お金も先に出ていきます。その代わり、営業日も内装もメニューも自由に決められます。

日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」では、開業費用の平均は975万円でした(飲食店に限らない全業種の平均です)。飲食店は厨房設備や内装が必要なぶん、条件によってはさらに大きくなることもあります。

店舗を持つまでの主な手順

  1. コンセプトとメニュー、資金計画を決める
  2. 物件を探して契約する
  3. 工事の前に、設計図を持って保健所(保健センター)に相談する
  4. 内装・厨房工事をする
  5. 営業許可を申請し、施設の検査を受ける
  6. 許可書を受け取って営業を始める

たとえば名古屋市では、工事に着工する前に設計図面を持って保健センターに相談し、営業開始予定日の20日前までに申請するよう案内しています。京都府の案内では、検査で基準に合うと確認されてから許可証の交付まで概ね10日程度かかるとされています。工事が終わってもすぐには開店できない点に注意しましょう。

また、建物を新築・増改築したり、用途を変えて使ったりする場合は、消防署への「防火対象物使用開始届出」も必要です。さいたま市では使用を開始する7日前までに届け出るよう案内しています。

居抜き物件なら工事費を抑えやすい

前のお店の厨房や内装が残っている「居抜き物件」を借りれば、工事を小さくできる場合があります。ただし、設備の譲渡代がかかることがあるほか、前のお店の営業許可を引き継ぐことはできません。自分の名義で許可を取り直す必要があり、設備が今の基準に合っているかも保健所で確認します。

店舗を持たずに最短で始める5つの方法

店舗を持たない方法は、どれも「すでにあるものを借りる」ことで時間と費用を減らす考え方です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

間借り:ほかのお店の空き時間を借りる

夜だけ営業している居酒屋の昼の時間や、カフェの定休日を借りて営業する方法です。客席や厨房がそろっているので、内装工事は基本的に要りません。一方で、間借り先のお店の営業許可は使えず、原則として自分の名義で許可を取る必要があります。間借り先の探し方や契約で確認することは、次の記事で詳しくまとめています。

関連記事:間借り営業の始め方|営業許可と間借り先・シェアキッチンの探し方

シェアキッチン:営業許可に対応した厨房を借りる

シェアキッチンで営業するイメージ

シェアキッチンは、業務用の厨房を複数の人で共有する施設です。時間単位、曜日単位、月額制など借り方が選べ、店頭販売やテイクアウト、デリバリー、週末だけのお店など、施設によってさまざまな営業ができます。

最短で始めやすい理由は、営業許可を取るための設備がすでにそろっていることです。自分で工事をする必要がないため、施設が決まれば、許可の手続きと準備が中心になります。営業許可の名義や取れる業種は施設によって違うので、契約前に必ず確認しましょう。

関連記事:シェアキッチンで開業するには?流れ・費用・必要な許可と施設の選び方

関連記事:シェアキッチンの営業許可とは?取り方・必要書類・注意点

キッチンカー:車で場所を変えながら営業する

車の中で調理して販売する方法です。店舗はいりませんが、車両の購入や改造が必要で、出店場所も自分で確保します。キッチンカーにも営業許可が必要で、大阪市の案内では、給水タンクの容量(基本型は200L以上など)や、廃水タンクを給水タンク以上の容量にすることが基準として示されています。仕込みをする場所(基地施設)が必要になる点も確認しておきましょう。

関連記事:キッチンカーでお店を始めるには?

ゴーストレストラン:客席を持たずデリバリーで売る

客席を持たず、フードデリバリーサービスやテイクアウトだけで販売する方法です。接客や客席の準備がいらないので、料理に集中できます。調理するキッチンには営業許可が必要なため、ゴーストレストランに対応したシェアキッチンを使う人が多い方法です。デリバリーサービスの手数料がかかるので、価格設定に組み込んでおきましょう。

関連記事:ゴーストレストランとは?

イベント出店:マルシェやお祭りで試す

マルシェやお祭りなどのイベントに出店する方法です。1日から始められるので、メニューや価格の反応を試すのに向いています。

イベントで食品を提供する場合も、営業許可または保健所への届出が必要です。世田谷区の案内では、公共的な目的の行事で「臨時出店者」の要件を満たす場合は営業許可が不要になる一方、保健所への届出が必要で、同じ出店者が出店できるのは原則として1年に5日以下とされています。扱える食品にも制限があるため、主催者と管轄の保健所に早めに相談しましょう。

どの方法でも必要になる許可・届出

始め方が違っても、食品を調理して販売するなら、守るべきルールは共通です。主な手続きをまとめました。

手続き 窓口 ポイント
営業許可 保健所 食品衛生法第55条により、許可が必要な営業は都道府県知事(保健所設置市など)の許可を受ける。業種ごとに申請
食品衛生責任者 保健所・講習会 施設ごとに設置が必要(名古屋市の案内)。調理師・栄養士などの資格がない場合は講習会を受講
HACCPに沿った衛生管理 (自分で実施) 令和3年6月1日から、原則すべての食品等事業者が対象(厚生労働省)
個人事業の開業届出 税務署 事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までに提出(国税庁)
防火対象物使用開始届出 消防署 店舗を新築・増改築・用途変更して使う場合。さいたま市では使用開始の7日前まで

営業許可の申請手数料は自治体と業種によって違います。名古屋市の場合、飲食店営業の新規申請は16,000円、菓子製造業の新規申請は14,000円です(2026年10月時点、名古屋市の手数料表で確認)。

なお、「自宅で飲食店を始めたい」という相談もよくありますが、京都府の案内では「営業施設は、営業目的以外の用途には使用できませんので、家庭用の台所との兼用は認められません」とされています。自宅で始めたい場合は、家庭の台所とは別に営業用の厨房をつくる必要があります。初期費用を抑えたいなら、まずシェアキッチンを使う方が現実的です。

目的別:あなたに合う始め方の選び方

飲食店 始め方 選び方 計画 ノート
※イメージ画像

「何を、誰に、どのくらいの頻度で売りたいか」で、向いている方法は変わります。

やりたいこと 向いている方法 理由
まずメニューの反応を試したい イベント出店・シェアキッチン 1日単位で始められ、やめるときの負担が小さい
会社員のまま週末だけ営業したい シェアキッチン・間借り 曜日や時間を決めて借りられる
接客が苦手で料理に集中したい ゴーストレストラン 客席と接客がいらない
いろいろな場所でお客さんに会いたい キッチンカー 出店場所を変えながら営業できる
お客さんがついてきたので本格的にやりたい 居抜き・店舗取得 営業日や席数を自分で決められる

リスクを抑えるなら「小さく試してから店舗へ」の3ステップ

  1. 試す:イベント出店やシェアキッチンの短時間利用で、メニューと価格への反応を確かめる
  2. 続ける:シェアキッチンや間借りで曜日を決めて営業し、常連客と売上の目安をつくる
  3. 広げる:売上の見通しが立ってから、居抜きや店舗取得で自分のお店を持つ

いきなり店舗を持つと、売れるかどうかわからないまま大きなお金を使うことになります。先に小さく試しておけば、店舗を持つときに「どの立地で、どのくらいの広さが必要か」も判断しやすくなります。独立前の腕試しとしての使い方は、シェアキッチンを利用して独立前の腕試しでも紹介しています。

最短で始めやすいシェアキッチンの例(掲載施設)

sharekitchen.netに掲載している施設のうち、月額制や曜日貸しで「自分のお店」として使いやすい施設を紹介します。料金は掲載時点の情報です(2026年10月時点・施設ページで確認)。営業許可の扱いは、施設ページの「問い合わせ」から確認してください。

  • 8K 武蔵境(東京都武蔵野市):JR武蔵境駅から徒歩10分。月額30,000円(税込33,000円)で30時間分の利用料を含み、別に共益費がかかります。店頭販売やデリバリー、ゴーストレストランの開業、週末だけの出店に向いています
  • KOCA(コーカ)(東京都大田区):施設ページに「飲食店営業許可」と「菓子製造許可」の記載があります。月額28,600円(月20時間以内)のほか、1時間単位の料金もあります。店頭販売やデリバリー、お菓子作りに使えます
  • からほり 悠(大阪市中央区):谷町六丁目駅から徒歩5分。19,800円/1か月(4回利用)で、飲食スペースがあります。週末だけお店を開きたい人に向いています
  • SHARE KITCHEN hamu(京都市下京区):月〜木曜は39,600〜44,000円/月、金〜日曜は66,000〜82,500円/月(敷金20,000円)。飲食店営業もでき、開業を目指す人のお試し店舗として使えます

ほかの地域の施設は、施設一覧から探せます。

よくある質問

Q. 個人で飲食店を始めるのに資格は必要ですか?

A. 調理師免許は必須ではありませんが、施設ごとに食品衛生責任者を置く必要があります。調理師や栄養士などの資格がない場合は、各地の講習会を受けて食品衛生責任者になれます。あわせて、営業する場所で営業許可を取ります。

Q. 一番早く始められる方法はどれですか?

A. 出店できるイベントが決まっていれば、イベント出店が最も早く始められます。継続して営業したい場合は、営業許可に対応した設備がそろっているシェアキッチンが早く始めやすい方法です。どちらも保健所への手続きにかかる日数を見込んでおきましょう。

Q. 自宅のキッチンで作った料理を売ってもいいですか?

A. 家庭用の台所では、原則として営業許可を取れません。京都府の案内でも、家庭用の台所との兼用は認められないとされています。自宅で営業したい場合は営業用の厨房を別につくるか、シェアキッチンを使いましょう。

Q. 一人でも飲食店を経営できますか?

A. できます。メニューの数をしぼる、テイクアウトやデリバリー中心にする、営業日を限定するなどの工夫で、一人でも回しやすくなります。接客が苦手な人向けの始め方は、接客が苦手だけど飲食店をやりたい人のための選択肢6選でも紹介しています。

Q. シェアキッチンで始めたあと、店舗に移れますか?

A. 移れます。シェアキッチンで常連客や売上の目安ができてから店舗を持てば、物件の広さや立地を判断しやすくなります。店舗に移るときは、新しい店舗で営業許可を取り直します。

まとめ

個人で飲食店を最短で始めるポイントをまとめます。

  • 飲食店の始め方は、店舗取得・居抜き・間借り・シェアキッチン・キッチンカー・ゴーストレストラン・イベント出店の7つ
  • 早く安く始められるかは、厨房設備を自分で用意するか、借りるかで決まる
  • どの方法でも、営業許可(または届出)と食品衛生責任者は必要。家庭の台所では原則として許可を取れない
  • リスクを抑えるなら、イベントやシェアキッチンで試してから店舗を持つ順番がおすすめ

費用をできるだけ抑えて始める工夫は、飲食店を安く始める方法も参考にしてください。まずは近くのシェアキッチンを探して、小さく始めるところから一歩を踏み出してみましょう。

シェアキッチン・レンタルキッチンを探す

sharekitchen.netでは、全国のシェアキッチン・レンタルキッチンを目的やエリアから探せます。気になる施設が見つかったら、施設ページの「問い合わせ」から、利用条件や営業許可の扱いを直接確認できます。

目的から探す

エリアから探す

東京/大阪/名古屋/すべての施設を見る

この記事を書いた人

シェアキッチンポータル編集部(sharekitchen.net)

全国のシェアキッチン・レンタルキッチンを探せるポータルサイトを運営しています。運営会社のがだんだん株式会社(名古屋市緑区)は、シェアキッチン型のテイクアウト店「GHOST BENTO」を2021年から運営してきました。記事の内容に誤りや古い情報を見つけたときは、お問い合わせからお知らせください。

\ 最新情報をチェック /

シェアキッチンを探している方へ

営業許可つきのシェアキッチンを探す

全国176施設から、エリアや使い方(お菓子製造・仕込み・ゴーストレストランなど)で絞り込めます。空き状況の確認は無料です。

エリアからキッチンを探す ›
営業許可つきのキッチンを
エリアから探してみる
探す ›

トップへ戻る