シェアキッチンで開業するには?流れ・費用・必要な許可と施設の選び方【2026年版】

  • まとめ
  • シェアキッチン
  • 初心者
  • 2026/10/02

最終更新:2026年10月

  • 自分のお店を持つ前に、シェアキッチンで開業してみたい
  • 何から始めればいいのか、全体の流れを知りたい
  • 費用はどれくらいかかるの?

シェアキッチンは、営業許可に対応した厨房を時間・曜日・月単位で借りて、食品を作って売れる場所です。自分で店舗を借りて内装工事をするよりも、ずっと少ない費用とリスクで開業できます。

この記事では、シェアキッチンで開業するまでの流れ、かかる費用の目安、施設の選び方をまとめました。

シェアキッチンの厨房に立つ2人の料理人

目次

シェアキッチンでの開業が向いている人

  • いきなり店舗を持つ前に、小さく始めて反応を確かめたい人
  • 焼き菓子・パン・お弁当など、作って売る商品が決まっている人
  • 本業や子育てと両立しながら、週に数日だけ営業したい人
  • テイクアウトやデリバリー、ネット販売が中心で、客席はあまり必要ない人
  • 独立に向けて、仕込みの量や原価、売れ方を実際に試したい人

シェアキッチン開業のメリット・デメリット

メリット デメリット
店舗の保証金や内装工事が不要で、初期費用を大きく抑えられる 使える曜日・時間が決まっていて、好きなときに作業できないことがある
業務用の設備がそろっていて、すぐに作業を始められる 材料や道具を置いておけるスペースが限られる
うまくいかなくても撤退しやすい ほかの利用者と設備を共用するため、ルールに合わせる必要がある
運営者やほかの利用者から情報やアドバイスをもらえる 「自分のお店」としての看板や内装は作りにくい

特に注意したいのが営業許可の扱いです。シェアキッチンでは、運営者の名義の許可で作業するパターンと、自分の名義で許可を取るパターンがあります。自分の屋号で事業として続けたい人は、自分の名義で許可を取れる施設を選ぶのが基本です。

シェアキッチンで開業するまでの流れ

ステップ1:何を・どう売るかを決める

最初に決めたいのは、「何を作って」「どうやって売るか」です。これによって、必要な営業許可の種類や、選ぶべき施設が変わります。

売り方の例 主な営業許可
店内で料理を出す・お弁当を作って売る・デリバリー 飲食店営業
焼き菓子・ケーキ・パンを作って売る(ネット販売・卸を含む) 菓子製造業
おかず・惣菜を作って他の店に卸す そうざい製造業

メニューと売り方が決まったら、「1回にどれくらいの量を作るか」「週に何日営業するか」もざっくり決めておくと、施設選びがスムーズになります。

ステップ2:シェアキッチンを探して見学する

候補の施設が見つかったら、必ず見学して運営者に話を聞きましょう。確認したいポイントは、この記事の後半の「施設選びのチェックリスト」にまとめています。

ステップ3:食品衛生責任者の資格を取る

厨房の手洗い設備で手を洗う様子

営業許可を取る施設には、原則として食品衛生責任者を置く必要があります。自分の名義で許可を取る場合は、自分が食品衛生責任者になるのが一般的です。

食品衛生責任者は、各自治体の講習会を1日受ければなれます。たとえば名古屋市では、会場で受ける講習が6,000円、自宅で受けられるeラーニングが10,000円です。調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格がある人は、講習を受けずになれる場合があります。

参考:食品衛生責任者講習会(名古屋市)

ステップ4:営業許可を取る

自分の名義で許可を取る場合は、施設を管轄する保健所に申請します。事前相談 → 申請 → 施設の確認検査 → 許可、という流れで、申請から許可が出るまで2〜3週間ほど見ておくと安心です。申請手数料は自治体と業種によって違い、たとえば東京都新宿区では飲食店営業が18,300円、菓子製造業が16,800円です。

詳しい手順や必要書類は、こちらの記事にまとめています。

関連記事:シェアキッチンの営業許可とは?取り方・必要書類・注意点

参考:営業許可業種と申請手数料一覧(新宿区)

ステップ5:開業届などの手続きをする

個人で事業を始める場合は、税務署に「個人事業の開業届出書」を出します。提出期限は、事業を始めた日から1か月以内です。確定申告で青色申告をしたい場合は、「青色申告承認申請書」も原則として開業から2か月以内に出す必要があります。

参考:個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)/所得税の青色申告承認申請手続(国税庁)

ステップ6:保険に入る

食品を売る以上、食中毒やけがなどに備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)や施設賠償責任保険への加入を考えましょう。シェアキッチンによっては、利用の条件として保険の加入を求められることもあります。

ステップ7:販売の準備をする

料理を運ぶエプロン姿の女性

開業日が決まったら、お客さまに知ってもらう準備をします。

  • InstagramなどのSNSで、商品や営業日のお知らせを始める
  • 店頭で売る場合は、Googleマップに表示されるよう登録する
  • 予約販売やネット販売をするなら、注文を受けるしくみを用意する
  • 容器や袋に入れて売る商品は、食品表示のラベルを作る

シェアキッチン開業にかかる費用の目安

項目 費用の目安
施設の利用料 時間貸しで1時間2,000〜6,000円ほど、月額プランで月2万円前後からなど(施設によって大きく違う)
食品衛生責任者の講習 6,000〜10,000円ほど(名古屋市の例)
営業許可の申請手数料 16,000〜18,000円台ほど(新宿区の飲食店営業・菓子製造業の例)
開業届 無料
そのほか 食材・包材・ラベル、保険料、SNSやネット販売の準備費用など

自分で店舗を借りる場合、保証金や内装・厨房設備の工事で、数百万円単位の初期費用がかかることも珍しくありません。シェアキッチンなら、最初の数か月を数万円〜十数万円ほどで試せるケースが多いのが大きな違いです。

施設の料金の例(sharekitchen.net掲載施設より):

※料金は掲載時点の情報です。最新の料金は各施設に確認してください。

失敗しないための施設選びのチェックリスト

チェックリストのカード
  • 営業許可:作りたいものに合った許可に対応しているか。運営者の名義か、自分の名義で取れるか
  • 設備:オーブンの台数や大きさ、ミキサー、冷蔵・冷凍庫など、作りたいものに必要な設備があるか
  • 使える時間:自分が作業したい曜日・時間帯に予約が取れるか。早朝や夜も使えるか
  • 保管場所:材料や包材、道具を置いておけるか。冷蔵・冷凍の置き場はあるか
  • 販売のしかた:店頭で売れるか、客席はあるか、デリバリーやネット販売に使ってよいか
  • 料金:基本料金のほかに、共益費・光熱費・延長料金などがかかるか
  • ルール:清掃や衛生管理の決まり、ほかの利用者との共用ルール
  • サポート:許可の申請を手伝ってくれるか、販売や独立の相談に乗ってくれるか

違法にならないための注意点は、こちらの記事でくわしく解説しています。

関連記事:シェアキッチンで違法にならないために知っておくべきこと/レンタルキッチンで作ったお菓子はネットやフリマで販売してOK?

シェアキッチンから独立するタイミング

エプロン姿で笑顔の女性

シェアキッチンは「ずっと使う場所」としても、「独立前の練習の場」としても使えます。次のような状態になったら、自分のお店を持つことを考えてもよいタイミングです。

  • 予約が取りにくく、作りたい量を作れなくなってきた
  • 決まったお客さまがつき、毎月の売上が安定してきた
  • 利用料の合計が、店舗を借りた場合の家賃に近づいてきた

まずはシェアキッチンで小さく始めて、数字を見ながら次の一歩を決めていきましょう。

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