中古の業務用ガステーブルと冷蔵庫が並ぶシェアキッチンの厨房で、機器の状態を確かめる手元

厨房機器を中古でそろえる選び方|レンタルキッチン開設の注意点と保健所の基準

  • キッチンを貸したい方へ
  • 2026/11/03

最終更新:2026年11月

この記事を書いた人:シェアキッチンポータル編集部(運営:がだんだん株式会社)

シェアキッチン・レンタルキッチンの厨房機器は中古でもそろえられますが、先に「何を作る人に貸すか」を決め、保健所に平面図を持って相談してから買うのが安全です。中古品は、ガスの種類・電源・庫内温度・型番(リコールの有無)を1台ずつ確かめ、ガスや電気の接続は業者に任せましょう。

  • キッチンを貸したいが、厨房機器を新品でそろえると費用が重い
  • 中古の業務用冷蔵庫やガスコンロで、営業許可の基準に合うのか不安
  • いろいろな人が使うキッチンなら、どんな機器を選べばいいか知りたい

この記事では、シェアキッチン・レンタルキッチンのポータルサイトを運営しているsharekitchen.netが、キッチンを貸す側に向けて、厨房機器を中古でそろえるときの選び方と注意点をまとめました。営業許可の施設基準は厚生労働省の資料(食品衛生法施行規則 別表第十九)、ガス機器と業務用冷蔵庫の注意は経済産業省・環境省の資料で確認し、掲載施設がどんな機器を置いているかは施設ページを実際に調べた結果を載せています。中古品の価格は販売店や状態で大きく変わるため、この記事では書いていません。

この記事の結論

  • 先に貸す用途を決める。お菓子・パン・お弁当・料理教室で、必要な機器も取る許可も変わります
  • 営業許可の基準は「流水式の手洗い設備」「使用目的に応じた大きさ・数の洗浄設備(シンク)」「冷蔵・冷凍設備と温度計」など。シンクの数などの細かい扱いは自治体で違うので、工事や購入の前に保健所へ相談します
  • 中古品はガスの種類・電源・庫内温度・型番と製造年・リコールを1台ずつ確かめます
  • 業務用の冷凍冷蔵機器は、フロン排出抑制法で3か月に1回以上の簡易点検が求められる場合があります(持ち主が「管理者」)
  • いろいろな人が使うキッチンは、丈夫で掃除しやすく、使い方が伝わる機器を選ぶと、故障やトラブルが減ります

キッチンを貸したい方へ:sharekitchen.netでは、キッチンを無料で掲載できます。フォームに施設の情報と写真を入れ、届いたメールで掲載イメージを確認して「この内容で公開する」を押すと、施設ページが公開されます。掲載料はかかりません。

中古の厨房機器を選ぶ前に、貸す用途を決める

オーブン・ガステーブル・冷蔵庫・2槽シンクがそろったシェアキッチンの厨房
※イメージ画像

どの機器が要るかは、「何を作る人に貸すか」で決まります。お菓子やパンの製造ならオーブン・ミキサー・発酵機、お弁当や惣菜ならガステーブル・炊飯器・フライヤー、デリバリー専門の調理なら冷蔵・冷凍の容量、というように、中心になる機器が変わります。用途があいまいなまま中古品を買うと、「大きいオーブンを買ったのに、借りに来るのは料理教室ばかり」といったずれが起きます。

掲載施設の施設ページに書いてある厨房設備を見ると、用途ごとの違いがわかります(2026年10月16日に施設ページを取得)。

施設(所在地) 施設ページにある用途 書いてある主な厨房設備
パンとお菓子のシェアキッチンuni(東京都杉並区) 本格お菓子作り・店頭販売など パンオーブン、ガスオーブン、卓上ミキサー、発酵機、冷蔵・冷凍コールドテーブル、大型冷凍庫、2層シンク
food stand MeEATS(大阪市平野区) 店頭販売・ゴーストレストランなど 3槽シンク、業務用ガステーブル(2口)、フライヤー、台下冷蔵冷凍、縦型冷凍庫、1升炊飯器
メゾンブルトンヌ(東京都江戸川区) ゴーストレストラン 業務用冷蔵庫3台、冷凍庫2台、ガスレンジ(3口)+ガスオーブン、2槽シンク、手洗いシンク
DELICIOUS FACTORY 六本木(東京都港区) 店頭販売・ゴーストレストランなど 3口ガスレンジ、冷凍冷蔵庫、コールドテーブル、2槽シンク、手洗器、製氷機
THE 9x OSAKA(大阪市北区) 店頭販売・ゴーストレストランなど 業務用ガステーブル、フライヤー、製氷機、2槽シンク、ミキサー、炊飯器

設備は施設ページの表示どおりで、変わることがあります。

どの業種の営業許可で使われるかでも、そろえる物が変わります。たとえば菓子製造業の基準には「原材料及び製品の保管をする室又は場所は、必要に応じて冷蔵又は冷凍設備を有すること」とあります(厚生労働省「食品衛生法施行規則 別表第二十」)。許可の種類と取り方はシェアキッチンの営業許可とは?、物件選びから開業までの流れはキッチン付きレンタルスペースの開業・始め方でまとめています。

保健所の施設基準で求められる設備

厨房機器を中古でそろえるまでの流れ(用途を決める・保健所に相談・機器を書き出す・現物を見る・業者が設置)

営業許可の施設基準は、機器が新品か中古かを問いません。基準に合う機能があるかどうかで判断されます。上の図のように、機器を買う前に保健所への相談をはさむと、基準に合わない買い物を防げます。2021年6月から全国共通になった基準(食品衛生法施行規則 別表第十九)のうち、厨房機器に関係する主なものは次のとおりです。

設備 基準の内容(要旨) 中古品で見るところ
手洗い設備 手指を洗浄消毒する装置を備えた流水式の手洗い設備を、必要な個数 シンクとは別に用意できるか。水栓は手を洗ったあと再び汚れにくい形か
洗浄設備(シンク) 必要に応じて熱湯・蒸気などを使える、使用目的に応じた大きさ・数 槽の数と大きさ、給湯につなげるか、さびや水漏れ
冷蔵・冷凍設備 衛生的に扱うために必要な機能のある冷蔵・冷凍設備を必要に応じて 設定どおり冷えるか、扉のパッキン、庫内の汚れ
温度計 冷蔵・冷凍・殺菌・加熱などの設備には温度計を備える 温度表示が付いているか、なければ庫内用の温度計を置く
器具の材質 食品に直接触れる機械器具は耐水性の材料で、洗浄しやすいもの 作業台・器具の傷やさび、すき間に汚れがたまらないか

シンクを何槽にするかのような細かい扱いは、国の基準には「使用目的に応じた大きさ及び数」とあるだけで、具体的な数は自治体の指導や業種によって変わります。相模原市は「施設の工事着工前に、施設の平面図をお持ちの上、保健所にご相談ください」、北九州市も「工事に着手する前に施設の設計図面を持参のうえ相談してください」と案内しています。中古品を買う前に、置く予定の機器の一覧と平面図を持って相談しておきましょう。

中古の厨房機器を買う前に確かめること

中古の厨房機器を買う前に確かめること(ガス機器・冷蔵冷凍・全部に共通)

中古品は状態が1台ずつ違うので、機器の種類ごとに見るところを決めて確かめます。上の図の3つのまとまりで、順に見ていきましょう。

ガス機器:ガスの種類・換気・接続

ガス機器は、都市ガス用とLPガス用で部品が違います。キッチンのガスの種類に合っているかを、本体の表示(銘板)で確かめましょう。業務用の機器は火力が大きいものが多く、今の配管や換気で足りるかも確認が必要です(詳しくは業務用キッチンを自宅に設置する費用と5つの条件)。接続は自分で行わず、ガス会社や資格を持つ業者に頼みます。

経済産業省は、業務用厨房での一酸化炭素中毒を防ぐため、「ガスの消費設備の使用中は必ず換気(給気及び排気の両方)を行うこと」、使い始めと終わりに機器と換気設備の異常を確かめ、1日1回以上作動状況を点検すること、グリスフィルターなどを定期的に清掃・交換すること、業務用換気警報器の設置を検討することを求めています。いろいろな人が使うキッチンでは、この確認を利用のルールに入れておくと安心です。

冷蔵・冷凍機器:庫内温度とフロンの点検

中古の業務用冷蔵庫の扉を開け、庫内の温度計を確かめる手元
※イメージ画像

冷蔵庫・冷凍庫は、電源を入れて庫内が設定どおりの温度まで下がるかを、買う前か届いた日に確かめます。基準では冷蔵・冷凍設備に温度計を備えることになっているので、温度表示がない機器なら庫内用の温度計を用意します。

もう一つ見落としやすいのが、フロン排出抑制法です。業務用の冷凍冷蔵機器のうちフロン類を冷媒に使うもの(第一種特定製品)は、原則として持ち主が「管理者」になり、すべての機器を3か月に1回以上簡易点検することなどが求められます(環境省の説明資料)。圧縮機の定格出力が7.5kW以上の冷凍冷蔵機器は1年に1回以上の定期点検、点検の記録の保存、捨てるときにフロン類を充塡回収業者へ引き渡すことも決まっています。家庭用の冷蔵庫は対象外です。中古品を買うときは、冷媒の種類と対象かどうかを銘板やメーカーで確認しておきましょう。

全部に共通:型番・製造年・リコール・保証

どの機器も、型番と製造年が読めるかを最初に見ます。型番がわかれば、メーカーの仕様書で電源(単相100V・単相200V・三相200V)やガス消費量を調べられ、消費者庁のリコール情報サイトで回収や無償修理の対象になっていないかも確認できます。あわせて、販売店の保証の期間と範囲、部品が手に入るか、運搬と設置まで頼めるかを聞いておきましょう。

いろいろな人が使うキッチンならではの選び方

シェアキッチンの機器の横に使い方の掲示と取扱説明書のファイルを置いた様子
※イメージ画像

貸すキッチンは、慣れていない人が毎回入れ替わりで使うので、自分の店の厨房よりも「丈夫さ」「掃除のしやすさ」「使い方の伝わりやすさ」を重く見ます。

選ぶときの見方 理由 具体的には
操作がわかりやすい 初めての人でも迷わず使える 取扱説明書がそろっている機器を選び、使い方を壁に掲示する
掃除しやすい 前の人の汚れやアレルゲンを残さない すき間が少なく、分解して洗える部品のもの
温度が見える 利用者が自分で記録できる 温度表示付きの冷蔵庫、オーブンの温度計
台数に余裕がある 前後の利用者の物と混ざらない 冷蔵庫の棚を利用者ごとに分けられる容量
故障したときの代わり 予約を止めずに済む 修理の連絡先を控え、代わりに使える機器を決めておく

どの機器があるかは、借りる人が施設を選ぶいちばんの材料になります。機器の名前・台数・できること(ガスかIHか、オーブンの段数など)を施設ページに具体的に書いておくと、合わない問い合わせが減ります。設備の故障や清掃の分担は、間借りの契約書・利用規約で決めることのチェックリストで、利用者との取り決めに入れておきましょう。

新品・中古・リースの比べ方と総額の計算

厨房機器は新品・中古・リースのどれにするかの比べ方

新品・中古・リースは、どれか1つに決める必要はなく、機器ごとに分けて選べます。上の図のように、火を使う機器や冷やす機器ほど状態と保証を重く見て、作業台や棚のように壊れにくい物は中古でそろえる、という分け方もあります。

くらべること 中古 リース
最初の出費 新品より抑えやすい 月々の支払いに分けられる
状態 1台ずつ違う。現物を確かめる 新品が中心(契約による)
途中でやめたいとき 売る・処分する 解約の条件は契約で確認
フロンの点検 持ち主(自分)が管理者 契約で保守の責務を負う側が管理者になる場合がある

リースの場合、環境省の資料では、契約書で保守・修繕の責務を所有者以外が負うとされているとき(リース契約など)は、その人が管理者になるとされています。リースを使うなら、点検をだれがするかも契約の前に確かめておきましょう。

中古が本当に安いかは、本体の価格だけでなく、運搬・設置費や修理の備えも入れて、1年あたりでくらべるとわかります。

1年あたりの費用 =(本体価格 + 運搬・設置費 + 修理の備え)÷ 使う予定の年数

条件(例) 計算 1年あたり
新品:本体30万円・設置2万円・修理の備え0円・8年使う (30+2+0)万円 ÷ 8 4万円
中古:本体15万円・設置2万円・修理の備え3万円・4年使う (15+2+3)万円 ÷ 4 5万円
中古:本体15万円・設置2万円・修理の備え3万円・6年使う (15+2+3)万円 ÷ 6 約3.3万円

同じ中古でも、何年使えるかで新品より高くつくことも、安くなることもあります。使える年数が読みにくい機器ほど、保証の長さを重く見ましょう。

※数字は計算の例です(実際の価格ではありません)。見積もりの数字に置き換えて計算してみてください。

機器の費用を、貸したときの売上でどれくらいで取り戻せるかは、レンタルスペース経営は儲かる?収支の考え方と集客の計算で確かめられます。

この記事で参照した公的資料

いずれも2026年11月3日に確認。自治体によって扱いが違う部分があるので、実際の手続きは管轄の保健所で確認してください。

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よくある質問

中古の厨房機器でも営業許可は取れますか?

施設基準は新品か中古かを区別していません。手洗い設備・シンク・冷蔵設備と温度計などの基準に合う機能があるかで判断されます。細かい扱いは自治体によって違うので、機器を買う前に平面図と機器の一覧を持って保健所に相談しましょう。

家庭用の冷蔵庫を厨房に置いてもいいですか?

基準は「衛生的に取り扱うために必要な機能を有する冷蔵又は冷凍設備」としていて、家庭用か業務用かの区別は書いていません。必要な容量や温度管理ができるかを含めて、使えるかどうかは管轄の保健所に確認しましょう。

中古の業務用冷蔵庫に、フロンの点検は必要ですか?

フロン類を冷媒に使う業務用の冷凍冷蔵機器(第一種特定製品)なら、原則として持ち主が管理者になり、3か月に1回以上の簡易点検などが求められます。冷媒の種類と対象かどうかは、銘板やメーカーで確認しましょう。

シンクは何槽あればいいですか?

国の基準は「使用目的に応じた大きさ及び数」としていて、槽数は書いていません。業種や自治体の指導で変わるため、保健所に相談して決めましょう。掲載施設には、2槽シンクや3槽シンクを置いている施設があります。

中古品はどこで買うのが安心ですか?

型番・製造年がわかり、動作を確かめられ、保証と設置まで頼める販売店を選ぶと安心です。リコールの対象になっていないかは、消費者庁のリコール情報サイトで確認できます。

まとめ

機器がそろい、きれいに片付いた貸し出し前のレンタルキッチン
※イメージ画像
  • 厨房機器は中古でもそろえられる。ただし先に「何を作る人に貸すか」を決める
  • 営業許可の基準(手洗い・シンク・冷蔵設備と温度計・器具の材質)に合うかは、買う前に平面図を持って保健所に相談する
  • 中古品はガスの種類・電源・庫内温度・型番と製造年・リコールを1台ずつ確かめ、接続は業者に任せる
  • 業務用の冷凍冷蔵機器は、持ち主がフロンの簡易点検(3か月に1回以上)をする場合がある
  • 新品・中古・リースは機器ごとに選び、1年あたりの費用でくらべる

機器がそろったら、どんな設備があるかを施設ページに書いて、借りる人に届けましょう。

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この記事を書いた人

シェアキッチンポータル編集部(sharekitchen.net)

全国のシェアキッチン・レンタルキッチンを探せるポータルサイトを運営しています。運営会社のがだんだん株式会社(名古屋市緑区)は、シェアキッチン型のテイクアウト店「GHOST BENTO」を2021年から運営してきました。記事の内容に誤りや古い情報を見つけたときは、お問い合わせからお知らせください。

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